エッセイ
過去のHPに乗せたエッセイ集です。消すのは惜しいし、同じことを何べんも言ったり書いたりしたくないのでまとめておきます。
第一試合前の会話 選手某:「でけえ!あれで6年生かよ」 監督:「相撲とるわけじゃないんだから」
跳び箱でも走り高跳びでも高いと思ったら跳べません。相手が大きくても、名前が強そうでも、ピッチャーの球が速くても、最初から相手に飲まれていて勝てるわけはない。他のチームを見ていても、北西ほど内外野ともそろっているところはありません。一試合目も自分たちの展開(守り勝って、脚で点を取る)ができれば2-1で勝てたと思う。もっと自分たちに自信を持とう。ピッチャーも「打てるもんなら打ってみろ」という気持ちで投げなければだめです。要は気合です。試合の前に弱音を吐かないこと。監督に円陣を組めと言われる前に、自分たちでやりなさい。(2003年4月)
ドンマイの意味を知っていますか。英語です。Don't
Mind→「くよくよするな」→「今度はがんばれ」→「おまえの分は俺がカバーしてやる」と言う意味です。エラーや三振をした選手は程度の差こそあれ落ち込んでいるものです(そうでない子もいますが)。そんな時、選手同士で責めたりしないでドンマイの声をかけてあげましょう。それがチームワークというものです。ソフトは何人かのスーパースターだけでやるスポーツではありません。九人いないとできない競技です。気合の抜けたプレー、怠慢なプレーはどんどん怒ってもかまいませんが、一生懸命やった結果ならドンマイの声をかけましょう。怒るのは監督・コーチに任せましょう。最近、気合の入らないキャッチボールを早めに切り上げてボール回しをしているのはそんな意味もあるのです。一つのミスで皆の努力が無になってしまう緊張感、少々ずれた送球でもそれをカバーしあうチームワークを育てて欲しいからです。その最中に、ドンマイの声をかけられず、切れてしまうのは練習の目的から外れています。ドンマイ。ドンマイ。(2003年5月)
涙 6/22の練習試合の2試合目。5年生以下のチームで、3年生を3人入れて上島早出に挑んだ。だからと言って、消化試合や馴れ合いの親睦試合にはしたくなかったので、結構きびしいことを言ったと思う。相手は6年生で内野を固めてきた。試合は3回まで1-2。1点差で負けていたものの、セカンド鈴木拓海、サード渡辺翼が期待以上のプレーを見せてくれた。最終回大量点を取られて敗れたのは、ちょっとした集中力の切れから守備が破綻したからであった。敗因の一つはピッチャーが悔しさを顔に出してしまった事だと思う。ピッチャーは感情を顔に出してはいけない。味方がエラーしたからと言って怒ってはいけない。四球を出してもがっかりしてはいけない。三振をとっても喜んではいけない。いつもは心強い6年生たちに守られて楽な立場で投げられた青沼にとっては、良い経験だったと思う。試合終了後、5年生の主力3人(冨岡、野末、青沼)が涙を流した。こいつら6年生相手に本気で勝ちに行ったんだと思ったら、言いたいことがたくさんあったのに、それ以上何も言えなかった。他の子供たちは、初めての試合だった子も多くてキョトンとしていたが、一緒に泣いてくれたらもっと良かった。こういう試合では、試合に出たくてウズウズしている6年生から不満の声が漏れるものだが、この涙を見て6年生も納得してくれたようだ。少年スポーツで勝ち負けに執着するのはどうかと思うが、勝とうという気持ちは大事にしたい。負けてもいいと思って負けたら「ああやっぱり俺たちは弱いんだ」という負け犬根性が残るだけだし、負けてもいいと思って勝ったらラッキーで終わってしまう(まず勝てない)。勝とうと思って勝ったら涙が出るくらいうれしいし、勝とうと思って負けたら、涙が出るくらい悔しい。勝っても負けても涙が出るような試合をこれからもして欲しい。泣け、泣け、そしてもっと強くなれ。
(2003年6月)
外野の季節 子ども会のソフトボールに関わって7年目になるが、段々とわかってくることがある。例えば、春先はピッチャー優位だったのが、シーズンが進むにつれてバッター優位になると言う事である。春先はピッチャーとキャッチャーがよければ勝てる。夏までは内野がよければ勝てる。それ以降は外野が良くなければ勝てないのである。一昨年のシーズンを思い出す。エースは宏亮の兄の克哉。5年から投げていたので球は速かった。今の投手陣より1ランク上の速さだった。春のサンセイでの強豪南平戦を皮切りに夏までにノーヒットノーランを3回記録、完封勝ちが7あった。この球速ならそうそう打たれることはないと、私も克哉も思っていた。しかし、忘れもしない北部大会準々決勝、萩丘合同チームに最終回7点差を逆転されて負けた。克哉が打たれてしまうのである。敗因は暑さに弱い克哉のスタミナ不足もあったが、外野の守備がまずいのも原因だった。克哉も私もショックだったが、気を取り直して、さらにスピードを上げることを目指して投げ込んだ。夏休みに1日百球ストライクの特訓もした。迎えた夏の終わりの松菱マート杯。曳馬金屋、丸塚、曳馬本郷を破って準優勝(暑さの中で4試合投げ抜いた克哉が最後はヨレヨレになって、決勝戦は新津に屈した)。この時の丸塚戦は今でも語り草になる名勝負だったが、最終回1点差、私は福岡監督に「頼むから外野を川合喬(当時5年)江間、西川(当時4年)に代えてくれ」と進言した。さらに球速を増した克哉でも打たれるからである。そして秋になるとどんなにすごいピッチャーがいても外野が良くなければ勝てない。秋の浜松市親睦大会。ベスト6に残り、相手は新橋倉松。相手投手はスリングショットの遅い球で対戦前から勝ったと思った。克哉は1試合で12奪三振のピッチングをした。しかし、結果は6-6の引き分けでトス負け。ボールが外野に飛んだら取ってくれなかった(決して、この時の外野陣や福岡前監督の方針を責めているわけではないので、誤解のないように)。今の宏亮や江間は本当に幸せである。抜ければ長打という当たりを外野陣に何度救われてきたことか。克哉に今のチームで投げさせてみたかった。今のレフト冨岡、センター杉浦、ライト渡辺裕介の3人は本当に素晴らしい外野陣だと思う。どの子も足が速く、内野でも守れるのに外野をやっている選手で、決して外野しか守れない選手ではない。特に韋駄天渡辺裕介をライトに使えるなんて、他のチームから見たらうらやましい限りであろう。「たまにしかボールが飛んで来ないからつまらない」などと言わずに、さらにプレーに磨きをかけて下さい。カバーを忘れないように。これからが君たちの季節です。(2003年7月)
視野 視野とは物の見える範囲です。正常の人間の片眼視野は上・下・内方が約60度、外方が約90度あります。しかし、その人の置かれている状況や精神状態で視野は広がったり狭くなったりします。野球でもサッカーでも名選手は広い視野を持っています。「後ろに眼がある」なんて言われる選手もいます。この日の試合のプレーで言うと、視野の広いプレーは、杉浦のセンターゴロであったり、渡辺裕がライトゴロをファーストに投げないで、セカンドに投げて封殺したプレーでしょう。逆に視野が狭かったのは、ランナーがまだサードにいるのにホームに投げて悪送球になったファーストのプレーであったり、ヒット&ランで2塁で止まってしまったランナーの諸君でしょう。よく打ったらわき目も振らずに一塁を駆け抜けろとか、盗塁する時によそ見するなと言いますが、これって本当でしょうか?少しばかりわき見をしたって走るスピードが落ちる事はないと思うのですが...。ボールがどこに行っているのか、相手の野手の動きや位置はどうなのか、視野の片隅にでもとらえて走れる様になって欲しいものです。残念ながら北西の選手は後ろには目がないので、後ろの目になるのは、守備だったら他の野手。攻撃だったら、コーチの役目である事は言うまでもありません。仲間に届くような大きな声をかけ合うことがチームワークです。(2003年8月)
投手 今年のセ・リーグは阪神が18年ぶりに優勝した。私は子供の頃から巨人一筋で来た。私の生まれ育った長野では野球中継と言えば巨人戦しかなかった。ちょうど
巨人が9連覇した頃で、巨人がウルトラマンで他のチームは怪獣。最後は必ず巨人が勝つものだと信じて疑わなかった。こんな私だが、ほんの一時、阪神ファンだった事がある。江夏豊という投手がいた頃である。お父様方の世代ならご存知と思うが、阪神時代の江夏は左腕から繰り出す豪速球で三振の山を築いた。シーズン最多奪三振401とかオールスター戦での9者連続三振といった記録を残した。この江夏がある時、取材を受けて「理想は27人連続三振ですか」と聞かれて、「理想は27球で試合を終わらせる事だ」と答えた。江夏の本領は阪神を出てからで、4球団を渡り歩いて技巧派に変身し、球速は落ちたものの抜群のコントロールでセーブ王を5回獲得している。広島時代の日本シリーズでの「江夏の21球」は有名だが、コーナーにボール半個の出し入れが出来たピッチャーであった。
野球でもソフトでもピッチャーはやはりコントロールである。ストライクが入る、四球を出さないというレベルではなく、狙ったところにボールを投げられるというのが、'コントロール'の良い投手である。過去何人か内外角ぎりぎりにボールを投げ分けられるピッチャーが小学生にもいて、びっくりさせられた事がある。そう言う子のことを聞いてみると毎日1時間とか30分とか練習していると言う。誰が相手をするかと言えば当然父親だとのことである。そんなわけで私も克哉、宏亮相手に毎朝、雨が降ったり仕事で不在の時、試合の翌日などをのぞけば、投球練習に4年間つきあって来た。朝起きがけは機嫌が良くないし、登校の時間も気になるのか、本人がやる気満々で練習をしてくれるのは月に2日ぐらいだろうか。素直に練習をするのは月に5日。あとの日は半分ケンカしながら練習している。一日一日の上達などたかが知れている。しかし継続は結果を結ぶものだ。日々コツコツと努力する事を教えるのも教育の一つだと考えている。克哉は親が言うのもなんだが、センスもバネもあった。しかし、それだけで勝てたわけではない。一昨年のシーズン最後のサンセイで和合相手にふがいないピッチングをした克哉に、私は「おまえ、これが最後で本当にいいのか」と説教しながら涙が出てきた(と福岡前監督は言っている)。親子二人で二年間毎朝練習をしてきたから出た涙であった。(ちなみにこの後、最高に気合の入った当時のメンバーが富塚を後一歩まで追い込んで1-3の好試合を展開した)。
今シーズン、二人のピッチャーがいるが、素質はどう見ても江間のほうが上だろう。しかし、ここ一番という試合で宏亮を使うのは、江間がショートに入った方が守備が固まると言う事と、日々受けている宏亮の球に信頼感があるからだ(監督の身びいきと思われるとつらいが...)。これから投手をやりたいという下級生には誰でもチャンスがあると思う。他のポジションに比べれば投手には何の素質もいらないと思う。ただ毎日練習するまじめさとご父兄のご協力があればいいと考えている。2、3球速い球を投げるだけなら誰でもできる。しかしコントロールは毎日練習しないと身につかない。それから投手を育てるには3年かかると思っている。1年目で試合を壊さない投手に、2年目で勝てる投手に、3年目で結果が残せる投手になると思う。克哉も投手1年目の5年の時はひどかったし、6年生の最後の頃、「もう1年あれば」とつくづく思った。宏亮に3年の終わりから投球練習をさせたのはそんな理由からである。後1年、宏亮の練習につきあってみるつもりだ。果たして私の持論が正しいか、彼が結果を残せる投手に成長するかは自覚次第だろう。投手志望の子は毎日投げるコト。来年以降ちょっと不安である。(2003年9月)
上手下手 大リーグもワールドシリーズに入った。今年初めて大リーガーとなった松井は勝負強い打撃でポストシーズンもまずまずの成績を残している。松井の新聞報道を見ると、なんと謙虚な人だろうと思います。言葉の端にはいつも反省の弁ばかり。今の自分に満足せず、さらに自分のプレーを向上させようと、慣れないアメリカの地で七転八倒の日々を送ったようです。あの天才松井でもそうなんですよ。江戸時代の医者(蘭学者)で解体新書を書いた杉田玄白の言葉があります。「己、上手と思わば、下手になる兆しと知るべし」。小学生にはちょっと難しいかな。だれでもいいプレーをして周りの人に誉められたら、「自分はうまい、ひょっとしたら天才じゃないかな」と思いたいものですが、そう思ったら、もう向上しないで下手になると言う事です。「練習ではダメだけど、試合では強い」なんて間違っても誉め言葉と思わないように。練習でもっとうまければ、試合ではもっと強いと思って下さい。逆に練習しても練習しても試合で結果を出せないと悩んでいる子もいるでしょう。それでいいのです。もっと自分はヘタクソだと思って、悩んで悩んでもっともっと努力しなさい。そりゃー、世の中には残念ながら、どうやっても勝てないような天才はいます。君たちが中学・高校に行って野球を始めたら、きっと、そんな奴の一人や二人に出会うかもしれません。でも、下手だ、下手だと思って努力すれば、ひょっとしたら甲子園ぐらいなら行けるかな(大リーグというとちょっと難しいかもしれませんが…)。努力は天才に勝る。今年14連勝した後、パタッと勝てなくなったのは、みんな自分たちがうまいと錯覚してしまったからかもしれません。近頃の子は誉めないと伸びないと聞いて、私も誉め過ぎたかもしれません。もっともっと怒ればよかったかなと反省しています。わかったら、練習まじめにやれよ!このヘタクソども!(2003年10月)
選手起用については皆さんもいろいろご意見があるでしょう。選手起用は監督の特権ですが、迷う事は間々あります。しかし、選手たちの練習・試合を一番見ているのは私だと言う自負はあります。子供会ですから、6年生を中心にチームを組むのは原則でしょう。幸いなことに今年は6年生のツブがそろっていたので、その点では頭を悩ませる事はありませんでした。今シーズン当初はいろいろ考えましたが、勝ち続けるうちに、5年生のレギュラー4人も固定してしまった形になりました。4人ともどうしても外せない選手だったと思います。勝ちにこだわると選手の起用と言うのは固定しがちになってしまうものです。勝ちながら次を育てると言うのは難しいものです。例えば、今年は4年生以下の投手を投げさせられませんでした。宏亮を見ていても分かりますが、投手は試合で成長するものです。しかし練習でストライクが入らないのに試合でストライクが入るわけがないというのが使えなかった理由です。これは本人の努力次第だと思います。それから、サード伊東が最近途中で抜ける事が多いのですが、代わりを誰にするかと言う点でも、元サードの杉浦にするか、来季を見すえて、渡辺裕、渡辺翼を使うか、悩みの種です。来季は5年生が力をつけてくれれば、もちろんチームの中心として使っていきたいと思います。しかし、4年生、3年生にも素質のある選手が目白押しで、うれしい悲鳴をあげつつも頭を悩ませるかもしれません。今度の新人戦、5年生でも油断していると非情な監督の采配が振るわれるかもしれません。4年生以下は監督を悩ませる存在になって欲しいものです。
(2003年11月)
サーコイ 守備についているとき「サーコイ」と皆、掛け声をかけていますが、意味がわかっていますか?サーコイは実は英語です...と言うのはウソで、中国語です...と言うのもウソで、「さあ来い」ですよね。しかし、「ワッショイ、ワッショイ」と同じで、お祭りのおハヤシぐらいにしか思ってない人いませんか? 口ではさあ来いと言いながら、内心、自分の所に打球が飛んで来るなと思っている人いませんか? 「さあ来い」は「自分の所に打ってみろ、絶対アウトにしてやるぞ」という決意の表れです。今度、「さあ来い!サード来い!」みたいに自分のポジションを後にくっつけて言ってみて下さい。これでエラーしてしまうとカッコ悪いけど、そこまで自分を追い込めれば、もう少し気構えも変わってくると思います。
(2004年3月)
六年生 皆さん進級おめでとう。一つ学年が上がると言う事は、学校でも家庭でもソフトボールでも何か変わらなければいけないと思う。あまり小言は言いたくないのだが、我がチームの悪しき伝統の一つに六年生になるとダラけるというのがある。今年は早くもその傾向がある。皆、五年生の時はいい子なのになあ。上から抑える者がいないせいか。レギュラーを取った安心感か(そうでない子もいるのですが...)。はたまた反抗期なのか。キャプテン野末裕人は確かに良くやっているが、他の六年生たちの補佐がない。整列の声がかかっても、下級生と一緒に遊んでいる者や、ケンカしている者もいる。君たちは裕人一人に責任を押し付けるつもりか(ぷん)。このままでは裕人がコワれそうで心配である(ぷんぷん)。道具運びも率先してやらなければいけないのに下級生に任せている。六年生なら先頭に立って重い荷物を持ちなさい。以前、三島千明君のお父さんが「下級生が上級生を呼び捨てにするのは良くない、さん付け、せめて、君付けで呼びなさい」と言われていたのを思い出す。今のままでは呼び捨てやあだ名で呼ばれても仕方ないか。プレーだけでなく、日頃の態度でも下級生から尊敬される様な、心をこめて、さん付けで呼ばれる様な六年生になって欲しいものである。五年生も、四年生もしかりである。
(2004年4月)
ポジティブ シンキング positive
thinking とは物事を肯定的に(良いように)考える事です。プラス思考ともいいます。たとえば1点差で負けていて、残る回はあと一回。ここで「あと一回しかない」と考えるか「あと一回もある」と考えるかによって「やってやるぞ」と言う気持ちが変わってくると思います。しかし、この時、一人でも「もうダメだ」とか「もう負けだ」とか口に出したらどうでしょう。チーム全体がpositiveに考えていても、誰か一人でもnegativeな(否定的な)考えをしているとチーム全体の覇気に影響してしまうのです。練習でもそうです。誰かが「疲れた」と言っていると周りの人も疲れてしまうものです。今度から「いい汗かいた」とかpositiveな言い方をして欲しいものです。ね、T君。やたらに「痛い、痛い」と言ってベンチでヘラヘラ座っているのもチームにとってnegativeですね。本当に痛ければ、早く帰って病院に行ってもらった方が覇気を保てます。練習でも試合でも、辛いとか苦しいとかダメだとか考えるより、楽しい、今日は絶好調だと考えてやった方が結果は残せるものです。元巨人の中畑選手の口癖はどんなに調子が悪くても「絶好調!」でした。私自身は練習ではnegativeに、試合ではpositiveに考えるようにしたいと思っています。練習では最悪を想定して練習し、試合ではできるだけ選手に最高の気分でプレーをしてもらうように心がけているつもりです(あくまでも、つもり)。「練習は厳しく、試合は楽しく」です。試合で選手がミスするのは、練習でそれを教えなかった指導者のミスでもあります。それでも、天王中さんとの練習試合で無死二・三塁からライトフライでタッチアップを忘れて飛び出した二人には怒れてしまいましたが、これも反復練習が不足していたと言う事でしょう。何回も同じミスをする選手は、我慢して使うか、使わないかの二つしか選択肢はありません。おっと危ない、こんな考えはnegative
thinkingかな。 (2005年5月)
犠打 相生戦の最終回逆転は拓海のバントヒットからでした。丸塚戦では、バント攻撃の威力を選手諸君は肌で感じたはずです。K−1で言ったら長打はハイキック、バントはローキックと言うところでしょうが、ローキックだって相手をKOすることはできるのです。昨年度の個人成績と今年のものを見比べてみると、増えているのは犠打の数です。今年は足の速い選手や左打者が多いので、バントを多用しています。昨年も決してバントのサインを出していなかったわけではありませんが、失敗する事が実に多かった。「肉を切らせて、骨を絶つ」と言いますが、野球でも、ソフトでも試合に勝つには、どちらがヒットをたくさん打つかということより、どちらが点をたくさん取るかということが重要なのは言うまでもありません。今年はどの打順から始まっても点が取れるのはバントの威力が大きいと思っています。これからはどのチームも力をつけてきて1点差を争う試合も増えて来ると思います。バント1本がヒット1本より重い試合がこれからもあるでしょう。今はその時に備えて、練習の意味も含めてバントをさせています。いつもバントのサインばかり出る選手はまたかと言う気持ちもあるでしょう。誰でもスカッとバットを振りぬいてみたい気持ちは判ります。ですが、逆にそれでバントヒットになって、打率が上がっている選手も多いはずです。確実にバントを決めてくれる選手は、監督もコーチも評価しています。君たちが長打を打てる力をつけて、せめて犠牲フライでも上げられるようになれば、バントの指示は出しません。打率や長打の数を競うのも良いですが、今年は犠打の数も競ってもらいたいものです。今年の犠打王には誰がなるか楽しみです。だから、そこの君、バントのサインが出たら、「えっ」と言う顔をしたり、悲しそうにうつむいたりしないで、にっこり微笑んで下さい。
(2004年6月)
視線 選手たちに指示を与える時に、何で私はいつも座っているのかと聞かれる時があります。そう言われて見渡すと、ベンチの前で腕を組んで立って、子どもたちを見下ろすように指示している監督さんが多いように思います。どうして座っているのか今まで考えた事もありませんでしたが、私の職業では、子どもと接する時は、子どもの視線でというのが常識なのです。それによって、子どもの警戒心をとって、本音を聞ける事があるのです。そういう習慣がついつい出てしまうのかもしれません。選手たちを見下ろして、「自分の言うとおりにすれば間違いない」と指示したほうが頼もしいでしょうか? まあ、私は、野球やソフトボールの経験も知識も少ないので、子どもと対等の立場で一緒に考えていると思っていただければいいでしょう(おいおい、そう言う割には、いつも結構きつい事を言っているぜ)。最近、子どもたちもつられて、一緒に座る事があるので、いかにも密談しているみたいである。(2004年8月)
「お代官様、こんな具合でいかがでしょうか」 「ふふふふ、越後屋、そちも相当の悪よのう」
三ヶ月先の稽古(けいこ) 試合の前の日にどんなに素振りをしたって、ホームランを打てるわけではありません。試合で結果を出せるかは、それまでの練習の集大成です。筋力的なことと、反射的なことは練習の成果の出方が違ってきます。筋力的なことは日々の努力がそのまま実を結びやすいと思います。バットを振った数だけバットのスピードが速くなる。投げ込んだ数だけピッチャーの球が速くなるといった点です。ただ筋力的なことは練習をサボったら、またすぐに元に戻るということを忘れてはいけません。反射的なことは、いくら練習してもすぐに結果が出るとは限りません。鉄棒の逆上がり、スキー等、いくらがんばってもできなかったことが、ある日急にできるようになったという経験はないでしょうか。バットにボールを当てるタイミングとか、バウンドにグローブをどう合わせるかといった点もそうです。大体、反射弓の形成は3ヶ月かかると大学の生理学で習った記憶があります。反射的なことは、これは一生の財産です。私は年に一回ぐらいしかスキーに行きませんが、すぐ子供の頃に覚えた滑り方を思い出します。相撲の世界では三年先の稽古という言葉があります。4年生以上は三年も待てないぞと思うかもしれませんが、少年ソフトの世界では、子どもの飲み込みの速さもあるので、おおよそ三ヶ月先の稽古ではないかと思っています。そりゃあ、個々の選手で飲み込みの速い、遅いはあります。教えなくてもできてしまう選手もいるし、一言教えただけでできてしまう選手もいるし、何回同じことを言ってもできない選手もいます。しかし、努力すれば、いつかは誰でもできるのです。練習したって、すぐに結果が出ないからと投げてしまっては何にもなりません。今やっていることの結果が実を結ぶのは明日か、一週間先か、三ヶ月先か、三年先かは分かりませんが、いつかは必ず成果が出ると信じて、日々の練習にまじめに取り組んで欲しいものです。指導者側もそう言う意識を忘れてはいけないと思います。(2004年9月)
無題 上島南さんとの第一試合。初回、手抜きのピッチングをした宏亮を「相手に失礼だろう」と叱りつけました。曳馬本郷のチビッ子たちとの第二試合も、ベストメンバーでのぞみました。エースに全部三振とって来いと指示しました。ランナーが出たら初球から盗塁させました。気持の入らない選手は途中で交代させました。この試合を見ていた方たちの多くは、上島北西の監督は大人気ないと思われたでしょう。「あれでよい」と思っていただいた方も数人ぐらいいらっしゃったでしょうか。価値観の違いですから、ここで議論するつもりはありません。2年前のシーズンを思い出します。曳馬地区のあるチームに大差で負けている試合で、代打に当時4年生だった裕人を出しました。相手は超前進守備を取って、投手はなめきったスローボールを投げてきました。結果は内野ゴロを打たされてアウト。同じく2年前のこの大会、当時最強だった曳馬早出さんとの試合。大量リードにもかかわらず、曳馬早出さんは宏亮のヒョロヒョロ球相手に、さらに1点を取ろうとバント攻撃をしかけて来ました。どちらが正しいとか言うつもりはありません。どちらも正しいのかもしれません。しかし、あの日、悔し涙をためた当時の5年生・4年生たちと「来年は曳馬早出さんみたいなチームを作ろう」と誓い合ったのが、昨年・今年の上島北西の原点となりました。この日、曳馬本郷さんのキャッチャーは走られるたびにマスクの下で悔し涙をためていたかもしれません。それでも、あきらめずに二塁にボールを投げ続けた姿に拍手を贈りたいと思います。もし、こちらも6年生抜きで試合をしたら、あのチビッ子たちは果たして試合後に涙を流したでしょうか。相手がどんなチームでもガチンコの試合をしましょう。そうでなければ、自分たちも相手も成長がありません。それで負けてヘラヘラしているチームはそこまでですし、涙を流すチームは一皮むけるのです(一皮むいてしまいました。おそろしい)。
(2004年12月)
攻撃は長く、守備は短く 萩丘合同さんと曳馬早出さんの北部大会決勝戦は、六回表、曳馬早出さんがコツコツとゴロを転がして6点を奪って7点差となり、勝負あったかと思われました。しかし、ここから萩丘合同さんがじっくり球を選んで、粘りを見せ、逆転サヨナラ勝ち。曳馬早出さんにとって惜しむらくは、最終回表に各バッターが早打ちしてしまったことかと思います。六回裏に4点を返されて、スタミナ切れのピッチャーは、(彼はこの大会のナンバー1投手と思いますが)たぶん一息いれる間もなく最終回のマウンドに上がったと思います。自分たちが辛い時は相手も辛いのです。ここはじっくり攻めておきたかったですね。これで、この大会の決勝は3年連続でサヨナラで決着がついたことになりました。最後はピッチャーのスタミナとハートの勝負となったところも共通していますが、夏場の連投は本当につらいものです。まわりがいかに助けてあげられるかが大事です。「攻撃は長く、守備は短く」 夏の試合の鉄則でしょう。
(2005年7月)
エースの関門 この時期に来て、エース安藤がコントロールに苦しんでいるようです。息子二人がピッチャーをしていた経験で言うと、これは十分想定できる通過点です。息子たちも、5−6年生で身長も伸び、球速が増してくると、今までホームの手前で少しお辞儀してストライクになったボールが高めに抜けてしまうようになったものです。ど真ん中に投げたつもりが高めのボールになり、低めに投げたつもりがど真ん中の絶好球になるのです。エースと呼ばれる投手の避けられない関門かもしれません。野末直暉も今投げているタイミングでストライクになっている球は、あと5cm身長が伸びて、1割スピードが増したら全部高めのボールになるでしょう。克服するにはやはり練習しかないかな。宏亮との投球練習はとにかく低めにボールを集めることをずっと念頭に置きました。バッターの背が高かろうと低かろうと、低めのストライクゾーンは高めに比べればその差が小さいものです。安藤の球の速さなら、低めに投げるには、下から上に投げるというより、むしろ上から下に投げ落とす感じでいいのかもしれません。逆にバッターの立場でいうと、この時期、速球投手の高めの球は結構ボールになっているので、むやみに手を出さないのが良いでしょう。
(2005年11月)
「みんなで一緒にうまくなろう なんてありえないんだよ」。息子たちの関係で高校野球を見たり、中学野球を見たりしていますと、いろいろな名言を聞きます。今回はその一つ。「自分はこんなにがんばったのに、あそこであいつがエラーしなかったらな」とか思うことはありませんか。チームメートにもっと練習でがんばって欲しいとか、気合を入れて欲しいとか、ついつい思ってしまうこともあるでしょう。しかし結局、他人は他人。まず自分がもっとうまくなろう。だれか一人でも二人でも抜け出て上手になれば、他の連中も刺激されてつられてうまくなっていくものです。刺激を受けても感じない選手は試合に出られないだけのことです。今の北西は、半分ぐらいのポジションはまだ流動的。誰にもチャンスはあるけれど、みんなライバル。競い合って切磋琢磨(せっさたくま)することもチームワークです。 (2006年2月)
ゲームとソフトボール 北西の選手の皆さんはソフトボールが好きだよね。だけどゲームをするのも好きな子が多いのではないかな。かくいう私もけっこう好きで、「○○の野望」とか「ファイナル××」とかやりました。手軽に日常ではありえないゲームの世界の主人公になれるというのは楽しいものです。ゲームは室内で冷暖房の下で一人でもできるしね。それに比べてソフトはつらい時もあるでしょう。そもそもソフトの試合で勝つということは生やさしいことではなく、みんなでがんばって練習しなければなりません。夏は暑いし、冬は寒いし、雨にぬれることもあるし、監督やコーチにしかられることもある。たまにはソフトボールをさぼって一日ゲームをしていたいなと思う日もきっとあるでしょう。でも、ソフトの試合で勝ったり負けたりして涙を流すことはあっても、ゲームをクリアして泣くことはきっとないでしょう。仲間と肩叩き合って喜んだりすることも、一緒に悔しがったりすることもゲームではないでしょう。君たちがゲームをクリアしても、お母さんが感動することもないし、お父さんたちが祝杯をあげることもないでしょう。それからソフトの試合はゲームのようにやり直しができません
(たまにリセットボタンを押したい試合もありますが)。昨今、コンピューターの前に座ってキーボードをたたくだけで、お金を稼ぐだけならいいけれど、犯罪をしたり、他人に迷惑をかける人たちがいます。勝手な想像ですが、こういう人たちって、ファミコンで育った世代ではないかと思います。冷暖房の下でコンピューターに向かって指先一つでお金を稼げる人なんてごくわずかです。働くと言う事はそんなに甘いものではないと思います。今の日本の繁栄は、君たちが今の生活ができるのは、お父さん・お母さん、おじいさん・おばあさんの世代が、力を合わせて汗水流して働いてきたからあるのです。これからの日本を背負って立ち、リセットボタンのない人生に向かっていく皆さんには、子供の頃から暑くても寒くてもカラダを動かしてがんばること、仲間と喜びや悲しみを分かち合うことを覚えて欲しいなと思います。それにはやはり、ゲームより上島北西のソフトボールだよね(うん、きれいにまとまった)。でもソフトでがんばった後は、気分転換にゲームもどうぞ。目を悪くしない程度にね。(2006年5月)
サード ソフトボールのサードはなかなか難しいポジションです。一瞬の判断力、集中力、勇気が必要です。ショートやセカンドなら、二歩三歩と動けますが、サードは最初の一歩が出るかでないかが勝負です。他のチームを見ていると、動きは悪くても手足の長い巨漢選手をサードに持ってくるところもあります。これもひとつの手かもしれません。伝統的に小粒の選手が多い上島北西をずっと見てきましたが、なかなかサードにピッタリはまったと言う選手がいません。名ショート、名セカンドは過去に何人もいましたが、名サードといえる選手が少ないのは、やはり難しいポジションだからでしょう。昨年の服部は判断力、集中力、勇気どれも備えたぴったりの選手でしたが、彼なら外野でも内野でもどこでも守れたので、何となくもったいない感じもしました。というのも、ピッチャーの球が速いと、そうそうサードには打球は飛んで来ないからです。せいぜい左バッターのうち損じかバントぐらいしか飛んでこないこともあります。しかし、今年の高林さんのような強打のチームが相手となるとガ然サードが重要になります。現在のサード俊貴は、打率が低くても(ごめん)鈴木監督が使い続けている、いわば「守備の人」で、動きのよさと強い肩が持ち味の選手です。ただ、時々集中力がふっと切れてしまうのが欠点かな。俊貴が三塁線を襲う高林さんの打球に勇気を持って飛びついていけば、今度こそ勝利をものにすることもできるでしょう。がんばれ!!俊貴。(2006年10月)
笑おう もっと試合中、笑顔があっても良いのではないかなあ。笑えば楽しいし、楽しければ笑えるし。この日の試合を見ていると、とってもつまらなそうに試合しているように見えました。ソフトボールは君たちにとって単なる厳しい修行の場でしょうか。大人に無理やり好きでもないことをやらされている訳でもないでしょう。一つアウトを取ったら指を天に向かって突き出して、もっと皆で喜び合おう。いいヒットを打ったら、派手にガッツポーズをとろう。それから他の選手のいいプレーは、自分のことのように喜びあおう。味方のエラーも一生懸命やった結果なら笑顔でドンマイの声をかけてあげよう。ピッチャーはポーカーフェイスの方がいいと思いますが、最後のバッターを打ち取ったら、くしゃくしゃの顔をして笑おう。試合は楽しく。笑うかどには...(2007年9月)
タイミング 市子連が近づいてきました。この市子連ですが、ついこの前までウィンドミル投法は禁止されていました。解禁になったのは確か2003年のシーズンからだったように記憶しています。ですから、それまでは、市子連とその予選の上島小校区や曳馬中校区の大会はスリングショットで、他の大会はウィンドミルという具合でした。今年大学生になった我が家の長男が投手をやっていた頃はそんな時代で、2種類の投法を練習しなければならず大変でした。そういう具合で、子供会レベルのチームはウィンドミルで投げる投手はあまり多くなく、指導者もウィンドミルの投げ方を良く知らない人もいました。しかし、今ではウィンドミル全盛でスリングショットの投手はほとんど見なくなりました。その分、ピッチャーの投げる球が相対的に速くなっているのはいうまでもありません。打つ方も速球に対応してきています。ここ3年ぐらい前から、安価なマシーンが出回ったのも各チームの打撃力向上に一役かっていると思います。
投手と打者のかけ引きは要はタイミングの問題です。投手の立場からいえば、いかに打者のタイミングをずらすかが大事です。誰にもタイミングが取れないような速球が投げられれば、それにこしたことはないです。しかし、シーズンも後半になってくると、大きな大会の決勝・準決勝に残ってくるチームならどんな速球投手でも合わされるようになります。そこでどうするかということですが、ウチの次男坊も、チェンジアップ(ヘタクソでしたけど...)を投げたり、クイックで投げたりして、相手打者のタイミングをずらそうと努力したものです。でも最終的には、コーナーに投げ分ける速球に勝るものはありませんでした。それから、打たれるのは仕方ないので守備を鍛えるというのが最後の答えでした。意外に、強豪と言われているチームで、速い球なら打てるけれど、遅い球はタイミングが合わずに打てないというチームがあります。春の曳中校区でウチの三男坊が投げて勝った試合なんかはその典型かと思います。まったく逆のケースで負けた試合も最近ありましたけれど...今の北西打線も速球だけなら打てるけれど、タイミングをずらされたら打てないという打撃フォームばかりで、市長杯ではそれでやられてしまいましたが、皆さん対策はできてますか? その方法は...企業秘密。今度の練習ででもご指導しましょう。(2008年8月)
根競べ 長年、上島北西のコーチや監督をやってきましたが、毎年ずっと同じ様なことを選手に言い続けています。一番多いのはやはり「声を出せ」でしょう。「ちゃんとアイサツをしろ」「ちゃんと構えろ」なんていうのも多いですかね。何回指導しても直らない癖も多いですね。素振りでは良いのに、バッターボックスに入るとアッパースイングになったり、体が開いたり、前に突っ込んだりする選手が何と多いことか。投げ方も何べん言っても上から投げなかったり、ひじが下がったりする選手が多いです。守備でも、構えているフリをして、ひざに手を置いて休んでいる選手。再三注意しても、すぐに忘れてしまうようです。大体、一人に何か言っている時は、皆に言っていると思って欲しいものです。本当に同じことを何度も言うことに少々嫌気がさした時期もありました。そんな時、テレビでプロ野球のコーチが、「選手に何度も同じことを言うのがイヤになる時があるが、何度も言うのがコーチの仕事」といっているのを聞きました。プロ野球でもそうなのか、小学生では仕方ないかと思った次第です。う―――ん、コーチ業は根競べか。 でも、直せよな。(2008年11月)
体調管理 この頃、試合の当日の朝に、「おなかの調子が悪い」とか「熱が出た」とか言う選手がすごく多い気がします。我がチームは人数がぎりぎりなので一人の欠場でも一大事です。かと言って、そういった選手が試合ができないのかというとそうでもなく、いつもと変わりないプレーをしていたりするのです。それでは朝言っていたのは何なのかという話になるわけで、まさか子供が試合でエラーをした時の伏線をあらかじめ張っているわけもないでしょうが、そんなうがった見方をしたくなる時もあります。選手層が厚かった時代、2003年・2004年の頃はこういうことを言う選手はあまりいなかったように思います。ポジション争いもきびしかったので弱気なことを言っているとポジションがなくなったせいでしょうか。それとも、時代の流れで今の子はひ弱になっているのでしょうか。子供によってはストレスで発熱する子もいます。職業柄、手術の当日になると発熱する子をよく見てきました。基本的に「カゼ」とは急性上気道炎ですので、鼻やノドや気管の炎症所見、つまり鼻水がでる、ノドが痛い、セキが出る等の所見がなければカゼではありません。かといって決して無理をしろといっているわけではありません。ただ、試合の前は体調管理に気をつけて、早めに病院にかかるとか、薬を飲むとか、睡眠を十分にとるとか、試合前日の食事に気をつけるなど努力していただきたいと思うわけです。それから、ケガにも注意をして下さい。特に自転車は注意。危険な乗り方はしないように。ドッヂボールやミニバスをする時も注意して下さい。我が家の二男坊はタフなやつで、小1でソフトを始めて中3まで野球をやりましたが、ほとんどケガや病気をしませんでした。小5の市子連の1週間前にマイコプラズマ肺炎にかかりましたが、1週間で何とか治して、真夏の試合でピッチャーを務めました。そんな二男坊が唯一練習試合に出られなかったのはミニバスで突き指をした時だったことを思い出します。柔軟運動やストレッチはケガの予防には大事だと思います。特にネンザ癖のある選手は足首のストレッチをしっかりやってください。私は水泳をやっていたせいか、足首の関節が柔らかいので、変な形で足をひねって、これはまずいなと思っても大事に至ったことはありません。「ソフト命」の選手なら、鬼ごっこやドッヂボールの前にも準備体操をして欲しいくらいです。だれでもいつでも万全な体調ということはありません。インフルエンザや虫垂炎では仕方ありませんが、少々のカゼやケガには負けない強い気持ちを持つことも大事でしょう。ソフトボールはピッチャー・キャッチャーを除けば、練習より試合がきついと言うことはありません。試合の当日、試合用のユニフォームを着て来て、練習が皆と同じようにできる選手は試合に出てもらいますので、そのつもりでいて下さい。 (2009年4月)